「アリスの見習い物語」 みんなの声

自分の名前も年も知らず堆肥の中で眠る１２、３歳の少女が主人公。

産婆見習いとなって自らをアリスと名乗るようになります。

食べるために始めた産婆見習いでありながら、アリスは着々と技術や知識を身につけていくのです。

失敗して逃げ出しても、自分のしたいことを知っているアリス。

同じ作者の『ロジーナのあした』のロジーナのように、明日にむかって自らの人生を切り開こうとするたくましさを感じました。

重たくなってもおかしくないテーマを清々しく書きあげる作者の筆力も感じました。

ひたむきに生きる少女の芯の強さを感じる作品でした。

ニューベリー賞受賞作品。１５６ページ。

１４世紀のイギリスでその日暮らしの生活をしていた少女の物語です。
こういう時代があったのかと読み手の子供は驚くかも知れませんし、どこか胸の痛む気持ちにもなるかも知れません。
それ以上に、主人公の少女のたくましさには感動もするでしょう。
希望ある未来で本当によかったと思いました。
自分の未来を自分の力で切り開いていく主人公、素晴らしいですね。