1941年のインド。
15歳のヴィヤドの父はインドの独立運動に関わっています。父が暴行を受け、一家は祖父の家に身を寄せることになるのです。
祖父の家は裕福ではありましたが、自由な空気のあった今までの家とは全く違います。ヴィヤドがひと息つけるのは、二階にある図書室でした。
今年から海外YAを読み始めて、アジア圏のものも多く出ていることを知りました。
この作品は、第二次世界大戦中のインドです。
日本のことも少し出てきますし、インドの人たちが持つイギリスへのイメージやアメリカへ持つイメージなど、
今まであまり知ることがなかった世界が描かれています。
当時のインドは15歳で嫁ぐことは珍しくはありませんでした。そんな時代の中、ヴィヤドは大学に進学したいという夢を持っています。
志を持つ少女にとっては生きづらい時代であったと思います。
希望が見い出せない生活の中で読書を通じて、またヴィヤドには書くという才能もあったことから、
そこから自分というものを確立していこうとする姿が見られるように思いました。
ヴィヤドだけでなく、ヴィヤドを取り巻く女性たちの生き方や考え方、兄の生き方などを通して、その時代のインドの歴史や人々の暮らしが垣間見えてきました。
15歳というと日本だと大体中学三年や高校一年にあたる年だと思います。
その頃は、やはり自分がこれからどう生きるのか、どんな進路を選ぶのかを考える時期であると思います。
国や時代は違っても、ヴィヤドの生き方を通して得られるものは大きいように思いました。
ジャンルとしてはYAになると思いますが、中学生から大人まで読める作品だと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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