身近でありながら、今なお、多くのなぞを秘めている海。この海にすむ動植物から未来の海中農業、海底開発まで、海のもっているすべてを総合的に整理し、細かく描きこんだ絵本図鑑。
福音館創作童話シリーズの一冊です。
主人公は中学生の女の子、春永です。とても複雑な境遇で、血のつながりのない家族、祈祷師家族と暮らしています。
自分の居場所を必死で作ろうと葛藤しています。自分と重なって胸が締め付けられるようでした。
自分も祈祷師になりたくてもがいている姿が切なくて、抱きしめてあげたくなります。
ずっと自分の感情を抑えて、家でも学校でも周りの人たちの顔色を窺いながら暮らしていますが、一番分かってもらいたい相手が分かってくれていたと知ります。
それがきっかけで、春永は大きく変る事ができました。
周りの大人の声かけや態度がどんなに大事か、あらためて感じます。
小学生高学年から大人まで読めるお話です。
読み終わって、しばらく余韻に浸っていられる感動があります。
ぜひ、思春期のお子さんがいらっしゃる方、読まれてみてはいかがでしょう。
その頃の葛藤を思い出させてくれる本です。 (おるがんさん 40代・ママ )
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