自らを「編集職人」「近江商人」と呼び、戦後日本の児童書出版を牽引してきた松居直。 その人生は、綺羅星のごとき作家達との邂逅に彩られている。 本書では氏の生誕から『こどものとも』を手がけるに至るまでを、時代背景とともに鮮やかに描き出す。
●目次●
はじめに──よみがえった子守唄
第1章 幼少期から大学時代まで 1 『コドモノクニ』と帝展 2 民俗学と歴史研究の中学時代 3 キリスト教とコミュニズムの間で
第2章 福音館入社から『母の友』創刊へ 1 駆け出しの編集者、小辞典を作る 2 月刊誌『母の友』と一日一話 3 創作童話の刊行に向けて 4 『母の友』から生まれた作品、作家
第3章 『こどものとも』を作る 1 独創的な月刊絵本をめざして 2 『こどものとも』創刊号ができるまで 3 茂田井武の遺作『セロひきのゴーシュ』 4 『こどものとも』3号から10号まで 5 文化をどう伝えるか
おわりに
あとがきにかえて 参考図書 松居直略年譜 人名索引/作品・事項索引
出版前から気になっていた本です。
伝説の編集者といってもいいような松居直さんの自伝です。
赤羽末吉さんや堀内誠一さんのことを勉強した時に、お二人と話をしただけで作品も見ずにこの人は絵が描けると思ったという話を読むたびにすごい人だなあと思っていました。
講演もお聞きしたことがありますが、松居さんの言葉は著書を読んでもすっと心に入ってくるような気がしています。
この本の中で特に感銘を受けたのは、「おわりに」の中の耳から伝わる言葉の力についてでした。
この辺は、私自身も息子に読み聞かせをずっとしてきましたし、乳幼児のお話会をしていても感じるところでした。
子どもの本に関わる人たちには一度は読んでいただきたい本だなあと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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