清水眞砂子さんの翻訳の本も読んでいますが、清水さんの『そして、ねずみ女房を見た』『幸福に驚く力』を読んで、批評家、文筆家としての面にも惹かれていました。
清水さんご自身も書かれていますが、この本は子どもの本に関することとも描かれている一方で、清水さんが日常で思われたこと、感じられたことも描かれているエッセイです。
幸運にも今年清水さんの講演をお聞きすることがありました。著書に現れているように、日々の移ろいや言葉についてとても敏感に感じておられて、また洞察力の鋭さも改めて感じました。
この本は、講演会後に読みましたが、読みながら清水さんの語り口が蘇ってくるようでした。
困難な時代に心を支えてくれるのはやはり言葉の力。読書をしながら私は自分の気持ちを代弁してくれるような言葉に出会うと、自分はああこんな気持ちだったのだと思うことがよくあります。
本を通してその著者の対話して、そこからまた自分の人生に役にたつ知恵をもらい生きてきたような気がするのです。
ですから、巻末に「子どもの本のもつ力」という最終公演が載せられていて読みながら胸が熱くなる思いでした。
清水さんの『本の虫ではないけれど』がまだ読めていないのですが、こちらも読んでみたいと思っています。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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