マニュエルは5歳。缶詰工場で働く。パトリックは9歳。炭鉱で働き事故で死んだ。児童労働の実態を撮り続けた一人の写真家の生涯。
1900年代初頭のアメリカでは、子どもたちが過酷な労働に身を捧げていることがまたありました。
子どもの人権に気づき始めた人たちの中には、写真家のルイス・ハインもいました。
この本の中では、ルイス・ハインの写真と共に彼の足跡について記されています。
過酷な労働の中にある子どもたちが写真に向けるまなざしにははっとするような美しさが垣間見られます。
「わたしはただ、美しい子どもたちを写しただけです」というハインの言葉にはハインが子どもたちに向けた優しいまなざしを感じました。
健康状態を悪くするような過酷な労働を強いられていた子どもたち、教育の場を与えられることがなかった子どもたち、読んでいて胸が痛くなるようなことが多かったのですが、子どもの人権を守るために活動をしていたハインの活動を知ることができたこと、知られざる歴史を知る機会ができたことは、読んでいてありがたい思いでした。
まだ世界のどこかでは、この時代のアメリカのように、労働者として働かされている子どもたちがいることも忘れてはいけないと思います。
千葉茂樹さん訳ということで手にとったのですが、千葉さん訳の本には社会派の伝記的な本が多く存在するんだなあということを思いました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子10歳)
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