小さなチムと、のっぽのターク。小さなチムは大きくなりたくて高い家を、反対に小さくなりたいタークは、低くて長い家をそれぞれ町はずれの空き地に建てます。同じ空き地に建てたので、チムとタークの家は隣どうし。引越しの日に窓越しに出会った2人は、毎日おしゃべりするうちに友だちになり、ある日外で会おうと話します。しかし相手に対してせい高のっぽだとウソをついてしまったチムと、体が小さいと言ってしまったターク。会えば本当の体の大きさがばれてしまいます。そこで2人がとった行動とは!?
仲良しチムとタークのお話が8つ。春、夏、秋、クリスマス、節分…と、友だちと一緒に過ごす季節は、楽しさに満ちて毎日がきらきらしています。2人がお互いを思いやる気持ちもお話のあちこちから伝わってきて、何とも優しく、読んでいると心がウキウキ、ほかほかしてきます。
そんな優しいお話に挿絵で一層温かみを添えてくれているのは、『どんくまさんシリーズ』や『どうぞのいす』でおなじみの柿本幸造さん。本の最初のページについている贅沢なカラーの口絵は、最初にながめてから読むと、あの絵はこのお話の場面だったんだ!と読んでいる途中で楽しい発見があったり、読み終わった後にながめると、お話の余韻が戻ってきたりして、お話をさらに味わい深いものにしてくれます。
どのお話も絵本から読みものへの架け橋にぴったりの長さ。絵本と同じように読んであげるのもおすすめですが、1人で読んでもどんどん読めてしまうはず。チムとタークに会いたくなったら、何度でもくり返し読んで楽しんで下さいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
大きくなりたい小さなチムと小さくなりたいのっぽのターク。 ふたりがある日、ばったり出会って、すっかりなかよしになりました。 ふたりは、毎日たのしくあそんだり、木の実をとりにいったり、買い物にでかけたりしてくらしていますが……。 絵本から読み物への掛け橋的な一冊です。
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