ソニンとの出会いと友情はまだ少し先のこと――。 父母である王と王妃から愛されずに育った北国の王女イェラの物語。
ソニンが天山の巫女として成長したのは美しい四季に恵まれた沙維(サイ)の国。イェラが王女として成長したのはその北に草原と森林が広がる寒さ厳しい巨山(コザン)の国。孤高の王女イェラが、春風のようなソニンと出会うまで、どのように生きてきたのかを紹介する、本編「天山の巫女ソニン」のサイドストーリー!
「これは、すごいぞ……」占い師の様子に、乳母はあらためて赤ん坊の顔を見ながら聞きました。「何がすごいんだい?」「こんな強い運を持つ子は初めて見た」「強い運? そりゃ、いい運ってことなんだろうね」「まあ、そうとも言えるが……幸運と強運は違うもんだよ」――<本文より>
本編に入るまでのお話で、ソニン以外の登場人物がどう育ってきたかが一冊になっている。
本編ではクワン王子や江南の王宮の雰囲気が好きだったが、外伝はどっちか?!と問われると、こちらの国の方が面白かったかも。
イェラ王女にグイグイ惹きこまれていく。美人で賢かったら、女性読者はついていかないものだが、イェラの聡明さに引っ張られて読んだ。
自分を不幸へと押しやる周囲を交わして、自分の力で進む王女が素敵です。
シリーズを通して、ヤングアダルト前半にオススメです。「守り人シリーズ」などハマった子に、こんなんもあるよと差し出してあげたいアジアンファンタジー。
巨山はアイスランド(王国)のイメージでした。 (てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子12歳)
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