第50回講談社児童文学新人賞受賞作家、待望の第2作目!
かさねちゃんがすごいのは、オレたちに、リュウセイにさえ、一度も、うんざりって顔をしないとこだ。 ちがうな、ほんとにすごいのは、どうもほんとに、かさねちゃんはぜんぜん、リュウセイにも、この班のメンバーにも、うんざりしてないってこと。 オレなんかしょっちゅう、いろんなことにうんざりして絶望すんのに。 かさねちゃんが絶望を知らないはずはない。だってオレより一歳長生きしてるんだから。 ──本文より
オレ、こと5年のユッキーは来年、登校班の班長になることが確定して絶望している。現在の班長は、「ちゃんとして」の魔法の言葉で皆が一瞬で大人しくなる、6年でカリスマ班長のかさねちゃんだ。 そのかさねちゃんを先頭に、1年で暴れん坊女子のミツ、2年で人見知りののんすけ、2年と3年で忍者マニアの兄弟・太郎と次郎に、4年のギャル系マユカと問題児リュウセイ、そして最後に5年で副班長のオレ・ユッキーが列をつくって登校する、間宮小・南雲町二班8人の子どもたちの毎朝の歩みを描く。
年齢も、家庭環境も、性格もてんでばらばらな小学生たち8人が、毎朝いっしょに騒がしく登校する様子がユーモラスで繊細な文章で生き生きと書かれています。 小学生って、たった数ヵ月でこんな風に自分とは全然違う他人たちとの関わりあいの中でそれぞれ着実に成長していくのだ、と納得させられる圧倒的なリアリティがあり、優しくありたい、賢い大人になりたい、と前向きな気持ちになれる爽やかな感動作です。
「アナザー修学旅行」を読んで面白かったのでこちらも読んでみました。
登校班にスポットを当てたお話というのが面白いなと思いました。
問題児たちとされる子たちを含む班のメンバー。かさねちゃん(6年生)の名班長っぷりを見てあこがれている次期班長の主人公の少年ユッキー(5年生)。
頭も性格も顔も良いかさねちゃん。その瞬時の的確な対応っぷりは大人の私もあこがれてしまいます。
班員たちの会話が面白かったです。かっこいい言葉しりとり等々、小学生らしいなー。 (みちんさんさん 30代・ママ 女の子4歳、女の子2歳)
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