1993年に出版されたこの絵本のおしまいのページに、「お話をつくった人」落合恵子さんと「絵を描いた人」和田誠さんからの短いメッセージが載っています。
落合恵子さんのそれは絵本がたまごやきのお話なので「卵」のエピソード。
一方、和田誠さんは落合さんとはずいぶん前からの知り合いで、落合さんがディスクジョッキーだった時も見学に行ったとか。(ちなみに落合恵子さんはレモンちゃんと呼ばれた人気DJだったのですよ)
また、絵本専門店クレヨンハウスができた時は、お子さんの手をひいて出かけたそうです。(ちなみに落合恵子さんはクレヨンハウスの主宰者です)
対談はあったそうですが、落合さんと絵本を作ったのは初めてだと書いています。
そして、このお話の魅力を「発想のとび具合」としています。
お話に登場するのは、お父さんと娘のめぐちゃん。
二人はたまご20個使って、大きなたまごやきを作ります。
するとこのたまごやきはどんどん大きくなって黄色いアドバルーンみたいになってしまいます。
そして、お父さんとめぐちゃんを乗せて、冷蔵庫の中に広がる空に飛び出したのです。
和田さんがいうように「発想」が普通ではありません。
でも、和田さんも子供の頃には押入から外国に行けると空想していたらしく、「たまごやきの気持ち」がわかると書いています。
和田さんという人は、きっと終生「空を飛びたいたまごやきの気持ち」がわかる大人だったのでしょう。