クジラにあいたいときは まどがいる それと うみも
「あれ、クジラかな?」と かんがえる じかんが いる
クジラにあいたかったら イスは ちょっと すわりごごちの わるいほうがいい
もうふは ちょっと ねごこちの わるいほうがいい
ねむいと クジラは みつからないんだ
クジラは クジラだからね
優しい絵とやわらかい言葉で表されたみごとな訳。
哲学的とも思える一つ一つのフレーズに込められたクジラへの思いがとても強く伝わってきます。
クジラにあいたかったら、みちゃいけないものがある。じっと目を凝らして、待って待って・・・やっと会える。
ゆったりと海を泳ぐクジラは、絵本にもよく登場するとても親しみのある動物であると同時に、なかなか会うことのできないどこか空想の世界に住む生き物のような遠い存在でもあります。
そうしたクジラの与えるイメージは、子どもにとって大きな想像力をはぐくませる存在でもあるように思います。
時々、クジラのことを想ってみる。クジラにあいたいときは、そんな一人の優しい静かな時間が必要だったりするのだ、と気づきます。