北カリフォルニアで育ったケイトは木が大好き。葉っぱでたくさん遊びました。学校では科学や生物の勉強が大好き。19世紀の この時代、女の子が科学の勉強をすることは稀でしたが、ケイトは大学にも行って学びました。
南カリフォルニアのサンディエゴで働き始めたケイトでしたが、この町には木はほとんどありません。ケイトは専門家らしい知識を駆使して、町に木を植え始めます。
サンディエゴは、今では緑でいっぱいの美しい町だそうです。おはなしの中では淡々と描かれていますが、19世紀、女性が大学で科学を学び、さらに 赴任した地で、率先して町を変えていくことは大変なことだったのではないでしょうか。
調べてみると、ケイトが大学を卒業した1881年は、朝ドラで有名になったあさちゃん、広岡浅子が炭鉱事業を始める少し前です。アメリカでも日本でも、女性が「女性」という枠に押し込められることなく、自分らしく生きようとし始めた、そんな時代だったのですね。
大好きな一筋の道を歩み続け、乾いた町と人々の心に 緑で潤いをもたらした実在の人物、ケイトのおはなしです。明るい緑、深い緑、そして木の幹の茶色が調和した とても素敵な絵本です。