「古典と新作らくご絵本」シリーズの1冊です。
タイトルの“王子”は王子様の“王子”ではなく、“王子稲荷”東京北区にあり、歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれている“王子”(地名)です。
狐と人間のばかしあいのお話しで、有名な落語の一つです。
耳で聞くとテンポの良い噺家さんのリズムがとても楽しいです。
このような江戸の町民を描いたお話に「お稲荷さん」が登場することは多いように思います。江戸の町民たちに根付いていた「お稲荷さん」信仰は、旅人がお地蔵さまや道祖信を拝んだり、お坊さんたちが仏像を拝んだりしているのと似ていて、そこにいる人たちの生きかたが見えてくるの気がします。
本作は、文章(テキスト)もページ数も少なく、力強い絵で語ってくださっているので、遠目も利きます。
読み手がよく練習していどめば、高学年の読み聞かせなどによさそうです。