ベルギーの2006年の作品。
絵のクロード・K・デュボアは、カール・ノラック作の「ハムスターのロラ」シリーズで知られています。
主人公は、女の子のマリー。
最初は、1人で住むおばあちゃんとのほのぼのとした交流が描かれています。
学校が休みになる度に泊まりに行くとあるので、マリーは本当におばあちゃんが好きだったことが窺えます。
ところが、ある日、おばあちゃんの様子がおかしくなります。
そう、おばあちゃんは、アルツハイマー病を患ったのです。
後半は、おばあちゃんが老人ホームに入所したシーンの話が続くのですが、マリーは、今までおばあちゃんにして貰ったことを、逆にしてあげます。
そのマリーの想いは、心の琴線に触れるもの。
作のヴェロニク・ヴァン・デン・アベールの実話ですから、なおさらなのでしょう。
でも、一番心に響いたのは、最後の文章です。
「わたしの はなしは、ぜんぜん わかってもらえないのかもしれない。
だけど、わかってもらえることが、ひとつ ちゃんと あるの。
・・・それはね、「プチュッ」。
「プチュッ」は ふたりの たいせつな ひみつ、
いちばん しあわせな じかん。
おばあちゃんは いつだって よろこんでくれる!」
今日的な問題であるアルツハイマー病を、とても身近に感じさせてくれる絵本です。
厳しい現実にどう向き合ったら良いのかを、諭してくれます。
読み聞かせよりも、小学校低学年以上のお子さんが、自ら読む方が良いかも知れません。