有名なスウェーデンな児童文学。
作者はアストリッド・リンドグレーンという女性。2002年に94歳で亡くなっている。
日本でもその作品集が出版されているほどで、中でも『長くつ下のピッピ』は人気が高い。いやいや『名探偵カッレ君』でしょ、という人もいるだろうが、脚本家の三谷幸喜さんが小学生の息子さんとともにはまったのが、やかまし村に住む六人の子どもたちを描いたこの作品。
三谷さんは自身のエッセイの中で、この作品にはまった理由として「彼らの暮らしが、あまりに楽しそうだから」と書いている。
また「自分の少年時代をぴったりと重ねることが出来た」という。
もちろん、ここには塾もテレビゲームもスマホも出てこない。
それでも、やかまし村の子どもたちは毎日楽しそうなのだ。
現在の子どもたちは、あるいは大人もそうだが、その楽しみを忘れてしまっているかもしれない。
物語の主人公は七歳のリーサ。彼女には九つのラッセと八つのボッセという二人の兄がいる。
リーサの家の隣には八つのオッレという男の子(オッレの飼っている犬スヴィップを手にいれたエピソードはこの物語の中でも秀逸)と、反対側の隣の家には九つのブリッタとリーサと同い年のアンナという女の子二人が住んでいる。
男の子三人、女の子三人とうまい案配になっていて、仲がいい時もあるし、ケンカしている時もある。
おそらく彼らの暮らしには何もないから、楽しみは自分たちで見つけるしかない。でも、それで見つかるのだから、この世界はきっと楽しみに満ちているのだろう。