町で宝石を盗みだし森をさまよっていた泥棒は、木陰にたたずむ小さな家を見つけます。
そこに住んでいたのは、おじいさんと動物達。
おじいさんはケガをした森の動物達の世話をしながら、一人で暮らしていたのです。
その日から泥棒はこの家に住みつき、毎日ぐうたらしながら暮らしますが、ある時…?
ごはんを独り占めしてたいらげ眠り込んでしまった泥棒を、他の動物達のように受け入れてくれたおじいさん。
泥棒のことを『くまさん』と呼んで一緒に住まわせてやるところに、その懐の広さと温かさを感じました。
「この男、只者ではない」と思いつつも、おじいさんは泥棒に対して何も語りません。
でも彼の生活や動物に対する思いやりから、泥棒が少しずつ変わっていく様子に胸を打たれました。
本当に大切なものが何なのか、泥棒の『くまさん』と一緒に考えさせられているような気持ちになりました。