心に直接語り掛けるような言葉に、圧倒されました。
文章が多いのにセリフが少ない構成から、心に浮かぶ多くの言葉を、海音ちゃんは飲み込んできたことが分かります。
病気だから。
家族に迷惑をかけているから。
もっとつらい治療を受けいている子がいるから。
この文章を書いたとき、海音ちゃんはまだ小学三年生でした。
それなのにこれほどまでに気を使って言葉を飲み込んでいることに、切なさを感じます。
ある日、海音ちゃんはオーバーテーブルの裏に寄せ書きのような言葉を見つけます。
それはかつてそのテーブルを使っていた子供たちからの言葉でしたが、海音ちゃんはそれを見て涙を流します。
絵本の趣旨と異なるかもしれませんが、そういうものを見つけないと泣けないのか、そんなにも我慢しているのかと思って、さらに切なくなりました。