この絵本は、小学校のクラスで読み聞かせをするきっかけになった、最初の絵本です。
小学5年生のクラス。「ウサギとカメ」と聞いて、馬鹿にしたような顔をしていた子どもたちの表情が変わるのに、それほど時間はかかりませんでした…。
実は、私が読んだ「ウサギとカメ」は韓国民話。海の国の王様の病気には、ウサギの肝が効くという話で、カメがウサギの肝を取りに行くと言うお話。竜宮城やら、ウサギとカメとのだましあいがあって、奇想天外なストーリーと、どこか聞いたことのあるような話が混在しています。
民話の伝承には不思議なところがあって、国が違うと話が変わっていく。これはその大きな例かと思います。
読み終えて、子ども達に感想を聞くと、大半は「浦島太郎みたい」との回答。
家で読んだとき、奥さんは「サルの肝」だと言いました。
昔話の伝承について一くさり話すと、子ども達は「ナルホド…」という顔をしていました。
それにしても、この本はタイトルで損をしていると思います。「ウサギとカメ」と聞いて、興味を示す人は少ないかもしれません。