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牛女」 みんなの声

牛女 作:小川 未明
絵:とだ こうしろう
出版社:戸田デザイン研究室 戸田デザイン研究室の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:1988年
ISBN:9784924710276
評価スコア 4.5
評価ランキング 8,964
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  • 心温かい母親の愛情とこどもの成長

    「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と呼ばれる
    小川未明氏の作品
    私は、文庫で読んでいるので
    絵本とはなかなか結びつかず
    こんな絵本あったんだ・・・
    と、手に取った次第です

    題名からして
    ちょっと、引いてしまうかも(^^ゞ
    絵もちょっと暗めですから
    子どもは、好まないような気がしますが
    是非、親子で読んでいただきたい

    貧しい時代
    障害者をいたわることなく
    差別扱いが残る時代背景
    想像を巡らしてください

    それでも、牛女は、ひとりの子の母親
    愛情深く育てています
    死んでもその愛情は消えず

    残された子どもと
    村人の気持ちが、人間のありようを
    うまく表しています

    りんご作りになるので
    なんとなく、東北地方をイメージしてしまうからでしょうか
    自然の変化
    言い伝えみたいな雰囲気
    昔話のようにも思えてきます

    母の愛情は、不変であってほしい
    その愛に包まれて、こどもは幸せであってほしい
    と、強く思うのでした

    こういう絵本は
    小学校中高学年、中学生にもいかがでしょう?

    投稿日:2013/08/15

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  • 母の愛

    牛女と呼ばれる大女がいたそうな。「おしでつんぼで、父親知らずの子ども連れていたそうな」。
    今日は使用をためらわれる言葉が出てくるのは、それが許された時代だから。牛女というあだ名からして、差別臭がにじみ出てくる。(戸田さんの絵もスゴイ)
    可哀想と思うか、薄汚いと思うかはその時代の人間ではないので判らないが、小川未明はそれまでの主人公を作りながら、伝えたいのは「子を思う愛」である。
    自分がこんなだから、子どもが哀れでならない。その姿に村人もほだされるのである。
    その牛女が、病で死んでしまった。残された子どもは村人が面倒見てくれたのである。
    童話は淡々としているが、子どもはどんな扱いを受けたのであろう。
    冬になると牛女の幻影が山に浮かび上がる。誰もが、牛女の子どもを思う心を思うのである。
    子どもは育ててもらいながら出奔する。さりげないけれど、子どもは村に満足していなかったのである。

    子どもが帰ってきた。村を懐かしく思い、感謝の念を持つのは子どもの成長である。
    子どもがりんご畑を始めた。
    近代文学の立信出世話のようにも思える。
    りんごの花が虫にやられて、実ができない。
    子どもが母親の法要を行うと、現れたコウモリたちが虫を喰ってくれてりんごが実るようになる。そこに牛女を思わせる大きなコウモリがいたのである。

    だらだらしたレビューになりそうだが、私が感じたのは、絵本の背景の時代性である。
    多分、今の子にピンと来ない展開なのではないだろうか。
    今につながるのは、母親の子を思う気持ち。(是非ともそうあって欲しい)
    小川未明の童話は結構重いと思った次第である。

    投稿日:2010/03/13

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  • 余韻の残る物語

    • おるがんさん
    • 40代
    • ママ
    • 高知県
    • 女の子、男の子

    妙高山が舞台になっているそうです。
    亡くなってもなおわが子を見守る牛女。死んでも魂だけは残っていると、自分の亡くなった子どもと重ねていたのかもしれません。

    絵がこの物語に合っていると思いました。
    牛女の健気さ、気丈さが伝わってきます。
    切ない物語です。
    題名で子どもたちは判断して、このような深い内容とは思わないようです。
    残念に思います。

    投稿日:2009/10/31

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