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彼岸花はきつねのかんざし」 みんなの声

彼岸花はきつねのかんざし 作:朽木 祥
絵:ささめや ゆき
出版社:Gakken Gakkenの特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:2008年01月
ISBN:9784052028960
評価スコア 4.5
評価ランキング 8,417
みんなの声 総数 5
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  • 原爆とメルヘン

    被爆二世である朽木祥さんが、戦争の悲惨をこのようなメルヘンに仕立てた意味を考えました。
    こぎつねと少女のやりとりは、とても可愛らしいのですが、上空をB29が飛び、空襲警報がなり、最後には広島原爆に遭遇するとき、ふたりが遊んだ竹やぶは非現実の世界、どちらかというと心の中の世界として瑞々しく感じ取れました。
    ささめやゆきさんの絵で、ファンタジーのようになったこの作品ですが、とても奥が深いと思います。

    投稿日:2021/07/29

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  • いろいろ想像できます

    • まことあつさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子8歳、男の子5歳

    戦争のお話ですが、
    戦争のおどろおどろしい感じはなく、
    あくまで女の子とキツネの触れ合いを中心に進められていきます。

    5歳児はお話も長く、途中で寝ていましたが
    8歳児は女の子とキツネの会話も楽しく
    楽しく聞いていました。

    最後、「どうなったの?」と息子も聞いてきましたが、
    はっきりとは書かれていない分、
    いろいろ想像できます。

    日常の生活が壊されるところに、
    戦争の恐ろしさがあります。

    投稿日:2020/09/20

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  • 本から知ろう!

    親の世代も祖父母の世代も戦争を知らない時代になってきた現代の子供たち。
    本から戦争の悲惨さと悲しみ,平和の大切さと尊さを知るのはとても意義あるものに思います。
    過去は変えられないけれど,未来を開いてくことはできます。
    多くの子供たちに多くの大人たちが読むことを願いたい,そんな本ではないでしょうか。

    投稿日:2018/10/02

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  • 戦争時代の物語をソフトに伝えてくれます

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    「かはたれ」シリーズを読んで、朽木さんの文章と、物語の繊細さにファンになり、この夏、下の子の読書感想文にいいんじゃないかと、薦めてみました。
    出版社からのおすすめの年齢が、小学校中学年以上ということで、
    文字は比較的大きめで、行間も大きめに空いているので、大変読みやすい作りになっています。
    本の紹介を読めばわかることですが、作者は広島原爆の被爆2世なので、『原爆』への思いはいろいろあると思います。
    けれども、このお話の中に「被害者」としての心情は書き込まれていなかったように思いました。

    うちの子は、第2次世界大戦中の広島に落ちた原爆のことが書かれているにもかかわらず、おどろおどろしたところがなく「怖くなかったので、読みやすかった」と言っていました。

    この物語はあくまでも、代々常に化かされてしまっている主人公の女の子(也子:かのこ)の家族と、その狐たちとの交流(友情)がメインに描かれていて、たまたま也子と子ぎつねの時代が、戦争の真っただ中だったという印象しかありません。
    だから、物語の中に浸かっていると”原爆”が怖いとかいう印象はほとんどなく、「爆弾が投下された中、町へ也子へあげるための花を探しに行ったあの子狐はどうなったんだろう」というところで物語は終わっていきます。
    これは、その後がめちゃめちゃ気になる終わり方ですが、すべてを語らない物語だからこそ、受け止めた読者ひとり一人がその後を自由に想像できる終わり方で、私は結構こういう終わり方が好きです。

    かわいい狐の子が「あんた、あたしに化かされたい?」って、聞くシーンが私はすごく気に入っています。
    とても読みやすい文章です。狐が好きな方、子どもたちに戦争系の物語をソフトに伝えてみたい方、ぜひ、親子で読んでみてください。


    この作品は学研の「新・創作シリーズ」というところから出ています。

    投稿日:2011/08/18

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  • 語り継いでいくこと

    第二次世界大戦中の広島。小学4年生の也子(かのこ)は、こぎつねと話をするようになります。

    れんげ、おしろいばな、ひめじょおんなど四季折々の花の様子が彩りを添えていて色彩的にきれいな印象の残ったお話でした。

    あとがきにありますが「あたりまえの暮らしが奪われることこそが戦争の悲しみなのだ」というくだりがあります。

    この中には空襲の心配も出てきますし、一番の大きな悲しみは広島を襲った原爆でした。

    読んだのが震災後ですので、この原爆のこともさることながら、今なお収束しない原発の問題をどうしても重ねて読んでしまいました。

    戦争がなくなっても、自然災害によっても「あたりまえの暮らしが奪われ」てしまう。そんな風に思うと、とても切なく感じます。

    語り継いでいく人がいなくなれば、この原爆での悲しみも時代を経て風化して薄らいでしまうことでしょう。

    戦後すでに66年で、語り継いでいくことの大切さ、戦争の愚かしさを伝えていくことを感じました。

    子どもと一緒に読みたい作品です。

    投稿日:2011/05/03

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