あら、素敵な版画・・・
えっ!?
新美南吉氏の作品?
知りませんでした
主人公はお坊さんで
のら犬だし
ちょっと地味かな
思慮深いお子さんには
読み聞かせてみたいです
大人にも読んでいただきたい深い作品のように
思います
一般的に
お坊さん=人格者・知恵者
というイメージあります
昔話と思うとなおさら
時には、ユニークなたぬきと踊る和尚さんとか
とんちの出来る和尚さんとかいらっしゃいますが
でも、常念坊さんは、ちょっと違うように感じてきます
人間の弱さが
だんだん出てくるのです
お坊さんだからーという固定観念が
そうさせるのかな?
犬ー誰かの犬、きつね、野良犬
と、相手が弱者なのに
自分の捉え方に変化が出るのは
自分の気持ちの投影なのではないのかな?
碁相手の檀家の方
道端で遊んでいるこども3人
茶店のおばあさん
そして、小僧の正観さん
それぞれとのやり取りも
何か意味しているのでしょうか
名前も気になりました
小僧さんは、「正しく 観る」です
小僧さんのお陰で
和尚さんは
最後には最良の対処の仕方に気づいたようです
情が大切
弱者を助けよ・・・と教えを説くような和尚さんが
犬を追っ払っては・・・
それもやせているのに・・・
お腹が空いていたら
拾っただんごを食べれば
犬はそれでもよかったわけです
でも、犬は、きちんと下に置いてお座りしていたのですもの
道中、守ってくれていたのかもしれませんし
年齢を重ねても
自分の都合で物を捉えることなく
「正観」して日々生きていくことの
大切さを教えてくれたのかな
絵本を閉じると
ちょうちんの灯りと和尚さんの姿
犬が、お寺の犬になっているといいです