幼稚園のページで「あっ、この子じゃない?」と贈り主の子をいち早く見つけたのは一緒に読んだ小4の娘でした。読み終えて娘と「よかったね」と言い合い、また初めからページをめくりながら、あの女の子がどこにいるのか探すのが楽しかったです。
縛ってある本が次の場面ではちゃんとほどかれて紐だけになっていたり、おはじきをしていたかなえが玄関にあわてて飛んで行くところでは、足元におはじきが1個落ちていたり、かなえと女の子が自転車で走る野原にはスミレやタンポポが咲いていて、あ、ここで摘んだんだなとわかるようになってたり……。
林 明子さんの絵は細かいところまで神経が行き届いているので、そういった小さな発見がまた楽しいんですね。裏表紙で女の子のくれた折り紙の人形をちゃんと見せてくれているところも嬉しい。何度でも読み返したくなる本です。