0歳から20歳までの年代ごとの子どもたちの写真と、その断片ごとの詩。
谷川俊太郎の詩とわかっていても、子どもたちの作品集と間違えてしまうほど、詩は子供たちの心からあふれだしてくる言葉のように思える。
谷川俊太郎は、生まれたての赤ん坊から、成人式を迎えた女性まで、年齢、性別を超え、子どもたちになり切ってしまうところからしまうところからこの写真に詩を加えている。
すごいと思う。
写真も、見事に子どもたちのあるがままを、とても至近距離からとらえている。
写真が生き生きしているから、詩も生き生きしているのかもしれない。
この絵本(?)は、自分にとってはすべて過去形であるが、わが子の通過した年月と、これからたどる道程を感じさせてくれる。
詩の内容が前向きで、自己肯定だからほっとできる。
この本を子どもたちが見たらどうだろう。自我が育ち、自分を確立し始めた子どもたちにとって、この本は自分の過去の確認とともに将来を展望させてくれるのではないか。
しかも、とても自然に。
その意味で、この本はやはり読み聞かせのできる絵本である。
高学年以上の子どもたちにとっての現在・過去・未来。
彼らもまた人生の途上である。