1960年代に、映画監督の山田洋次さんが柳家小さん師匠のために書いた創作落語です。
タイトルは上方落語の「胴斬り」を思い出し、出だしは「猫の皿」の感じでしたが、山田監督はロアルド・ダールの短編にヒントを得たそうです。
気になって捜したところ、ロアルド・ダールの「牧師の愉しみ」のようで、なるほど落語に通じる面白い作品でした。
小さん師匠の噺を音源で聴きました。
農家の庭先での甚平さんの独り言は、映画監督らしい秋の風景描写でした。
絵本でも落語の面白さがあって、成田山の門前町の様子やカエルの仕草の絵も味わい深いお話でした。
唯一、非常に残念なのは、甚平さんのセリフ「弁当をつかわせてもらえませんか」が「つかませて」と誤植になっていることです。(初版)
子どもたちが昔ながらの言い回しに接する良い機会なのに、がっかりです。