NHKの「みんなのうた」という番組が大好きで、一時期録画して何度も観ていた時がありました。その中に、谷山浩子さん作詞・作曲の「まっくら森のうた」というのがありました。本橋靖昭さんの絵に魅かれてこの歌を作ったという谷山さんのコメントを、どこかで目にした記憶があります。
少し前に、テレビ絵本で『まっくら森』をやっていたので、懐かしさと、絵本で出ていたという発見に、この本を借りて読んでみました。
不思議なお話でしたが、あまり胸に響くものはありませんでした。
でも、(文を書いた方には申し訳ないのですが)文を読まずに絵だけを見ていくと、物凄く広がっていくものがあるのです。
とにかく絵が幻想的で美しい。特に、オレンジだけ、青だけ、緑だけといった一色を濃淡や陰陽だけで描いた絵はとても美しく、広がりがあります。
これは、文章で物語を限定してはいけない、絵を自分で読み解いていくものなのだと思うのです。
谷山さんが、絵から一曲作ってしまったように、この絵は人の創造力を刺激するような不思議な魅力を持っています。
我が家では、子どもには読んでいませんが、幻想的な絵が好きなお子さんには魅力的な一冊だと思います。