ティーンエイジャーにそっと寄り添った作品が多い、重松さんの絵本作品!?と手に取りました。
読み物に近い文章でしたが、はまのゆかさんの絵がいいコラボで、
とてもハートフルな作品で感動しました。
小5の少女エリカは、ゲーム機をぞんざいに扱って、
お父さんから「おじいちゃんの家へ行きなさい」という謎の命令をされたのです。
訳がわからないまま、エリカはおじいちゃんの家に着き、
次の日はおじいちゃんと一緒に職場である工場見学をさせてもらうのです。
実は、その日はおじいちゃんの退職の日であり、
エリカはおじいちゃんの職人芸を目の当たりにし、
「物作りの楽しさ、素晴らしさ」を知るのです。
重松さんらしい、軽快な展開がエリカという少女をくっきり描き出します。
きっと同年代の子どもたちも共感できると思います。
職業への見方も変わってくると思います。
ある工作機械メーカーが、社員とその家族へのプレゼント用に制作された私家版だったのですが、
東日本大震災をきっかけに、出版されたそうです。
何より、物作りの、未来へ受け継ぐ視点があったからです。
その思いも、なるほど、と思いました。
小学校高学年以上、中学生の進路指導用でもいいと思います。