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なんとも困った殿様です。 驚いて自分に飛びっかかってきた猿の毛皮をよこせと、猿まわしに命じます。 できなければ、猿まわしも猿も殺すなどと激怒します。 でも、なんとも単純思考の殿さまです。 猿の演技に心をうたれます。 猿のほうが数段上に見えるお話です。 も少し思慮深い殿さまならば、話にもならないでしょうが、こんな殿さまに従う家来の大変さを感じました。
投稿日:2022/01/03
「狂言えほん」のシリーズを色々読んで、どれもとても面白かったので、こちらも読みたいと思いました。 猿回しの猿の毛皮が欲しいと、猿回しを脅す殿様。 なんてひどい殿様だと思いましたが、健気なサルの行動が、殿様の気持ちも変えたようで。 強情な殿様でなくてホッとしました。 西村繁男さんのイラストもお話にとてもあっていてよかったです。 この演目を、狂言でも楽しみたいなと思いました。
投稿日:2021/02/02
私が初めて能舞台で見たのが『靭猿』。 これはそのお話を絵本にしたものです。 このお話にはお殿様が出てくるのですが、横暴で、自分の権力を笠に着て、恣にしようとします。 けれど対峙する猿回しは、小さい時から大切に育てた猿に愛情を感じ、涙を流します。 その対比が、人々の心をつかむのではないかと感じます。 ただ、・・・もしかしたら、棒を振り上げたらこのように芸をするように仕込んだから、そこをうまく使ってこの場を逃げ切れないか・・・と猿回しが考えていたかもしれない。 狂言なので、そんな風にも読めるかなと思いました。 どちらにしろ、最後は大団円。 お殿様も含めて、楽しくひと時を過ごすことが出来たのだから、良かったなぁと思いました。
投稿日:2019/07/13
最初はなんてひどいお殿様なんだと思いながら読み進めました。 サルのいじらしさに最後はお殿様も涙をながして許して下さってよかったです。 今まで、読んだ狂言絵本シリーズは笑えるものが多かったので、こういう人情モノもあるのだなとびっくりしました。
投稿日:2018/12/27
「人間」「猿」という生物の種類を超えて、家族同然となった猿回しと子猿。二人(一人と一匹)の心が通い合う様子が、素朴で力強いタッチで描かれている。猿の健気さ、いじらしさ、人の情の深さなどが、じんわりと伝わり、泣ける絵本。 こういう風に、権力者のワガママに泣かされた人はたくさんいるのだろう。いつの時代にも、形を変えて存在する嫌なテーマだが、最後の場面で大団円を迎えるのでホッとする。いわば、水戸黄門的な、最後に善人が勝つお話は、最近はあまり見ない気がするが、やはり終わりよければすべて良しで、気持のいいものだ。人として大事なものを教われる話で、読みやすく、デザインも素敵で、見どころが多い。お子さんの他に、古典芸能が好きな人にも是非ともお勧めしたい一冊。
投稿日:2018/09/20
狂言絵本です。西村繁男さんの絵が素敵で、特に猿の可愛さや素直さ、いじらしさも上手く描かれていました。横暴なお殿様でしたが、猿の健気さ、さるまわしの猿への愛情に感動して人情が深いお殿様の気持ちに触れてほっとしました。猿と一緒にお祝いの踊りを踊るお殿様や周りの子どもたちも踊っていてとても楽しい気持ちになれました。狂言絵本も好きになりました。
投稿日:2017/10/13
猿回しのサルの健気さが、かわいく愉快な一冊です。 狂言の絵本です。 猿まわしのサルの、殿様への粗相にたいして 「その猿の毛皮をよこせ」という殿様。 コミカルなタッチの絵なのに、グロ展開なの??とびっくりしながら読み進めましたが 猿にとどめを刺そうと猿回しが振り上げた棒を 芸の合図と思った猿が芸を始めてしまいます。 そのかわいさ、けなげさ!! 殿様も胸を打たれて、その芸に褒美まで下さる大団円!! 狂言って、クスッとくるお話が多いように思いますが これはちょっとウルッとくるお話でした。 猿の表情が朴訥としていて、癒されます。 狂言っていいなー。
投稿日:2017/06/18
狂言えほん。 靭は、弓矢を入れる筒のこと、そして、猿です。 狂言ですが、人情ホロリという印象です。 西村繁男さんの絵が、なんとも品があっていいです。 殿様が狩りに出かける途中で、猿回しを見かけます。 物珍しさに突然駆け寄ったので、猿が無礼を働き、殿様が立腹するのです。 そこで、靭用に猿の毛皮を渡せ=殺せ、ということになるのですが…。 猿のいじらしい行動がやはり心を打ちます。 舞台での演目では子どもが演じるそう。 なるほど、愛らしさが引き立ちますね。 もちろん、それが大団円につながるのですから、嬉しいです。 幼稚園児くらいから共感してもらえそうです。
投稿日:2017/04/06
狂言はなんとなくむずかしそうだけど、じつはとてもシンプルなお話です、と解説にあります。絵本でみると、ほんとうにわかりやすくて、とても深いお話でした。 殿様に、「さるのけがわをよこせ」といわれた、さるまわし。大切な大切なさるを苦しめないために、つえをふりあげます。そしてページをめくると、何も知らない、さるはけなげに芸をはじまます。 さるまわしとさるの、気持がつたわってきて苦しくなりました。 殿様やさるまわしの声がきこえてきそうな、いきいきした絵にひきこまれます。 機会があったら、舞台をみてみたいです。
投稿日:2014/02/27
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