アリス&マーティン・プロベンセン夫妻の1970年の作品。
アリスは1918年、夫のマーティンは1916年のシカゴで生まれで、1944年に結婚。
翌年、ニューヨークへ移り絵本の挿絵を描くようになり、ニューヨーク・タイムズ紙の年間「最優秀イラストレーテッド・ブックス」に何度も選出。
1982年の「A Visit to William Blake’s Inn:Poems for Innocent and Experienced Travelers」(未訳)でコールデコット賞オナー賞、1984年の「栄光への大飛行」でコールデコット賞受賞しています。
今回の作品は1970年初版で、邦訳は2012年。
40余年の年月を経ての邦訳ですが、何故今というのが何となく分かる作品です。
物語は、卵について淡々と語ったもの。
それこそ、沢山の卵と生き物の関係が登場するのですが、この手の絵本にありがちな科学絵本っぽいところが微塵もありません。
卵を産むのはどんな動物なのかが、きっと皮膚感覚で理解できる、そんな作品です。
そして、この絵本の最大の特徴は絵。
表現するのが難しいのですが、心に染み入るような絵風は、多くの人に綺麗と映るはず。
全体を通じて、決して派手さはありませんが、安心して読み聞かせ出きる作品だと思います。