『The King of Capri』が原題。
訳者が、風変わりでチャーミングな物語と評するウィンターソン(英国)の初絵本作品。
イタリアのカプリ島が舞台の、イタリア気分の寓話、という印象です。
食いしん坊のカプリの王さまが主人公です。
もちろん、美食三昧、貧民のことなど考えません。
対岸のナポリには貧民の洗濯おばさん、ジュエルさんが暮らしていて、
その生活ぶりが対照的です。
ある日、風のいたずらで、王さまの物が吹き飛ばされて、ジュエルさんのもとへ。
そこからの展開も大らかですごいです。
風変わりでチャーミング、との評に納得。
さらには、コラージュを駆使したであろう絵もキュート。
おやおや、日本のものらしいコラージュも見受けられますね。
イタリア語も差し込まれ、イタリア気分を盛り上げます。
ただ、かなり入り組んだストーリーなので、小学校高学年から、
どちらかというと大人向けかもしれませんね。