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キャラメルの木」 みんなの声

キャラメルの木 作:上条 さなえ
絵:小泉 るみ子
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,676
発行日:2004年
ISBN:9784061322998
評価スコア 4.67
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みんなの声 総数 14
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  • 逝く人も見送る人も心残りのないように。

    • 西の魔女さん
    • 30代
    • ママ
    • 福岡県
    • 女の子13歳、男の子9歳

    とっても可愛らしいタイトルがずっと気になっていた絵本。
    でも読んでみたら  
    その内容は想像していたものと全く違いました。
    キャラメルが食べたいな…
    と思っている病床の弟に掛けた言葉。
    「にわのあの木 キャラメルがなるんだって。」
    弟が亡くなってからもずっと
    おばあちゃんの心を締め付けていたのです。
    心残りをさせたまま逝かせてしまった…
    自分は弟にうそをついてしまった…って
    感じてしまったのでしょうね。
    その時はきっと 
    弟を励ます意味で言った言葉だったでしょうに…。
    死んでしまった後の世界の事はわからないけど
    逝く人を見送り この世に残る人が
    心を痛めて過ごすことの辛さをひしひしと感じました。
    そういう意味では
    主人公のしんちゃんは 
    おばあちゃんの心残りをなくしてあげてから
    見送ることが出来て 本当に良かったと思います。
    もちろん おばあちゃんも
    心の重石を取り払ってもらい
    穏やかな気持ちで最期を迎えられたに違いないでしょうね。
    悲しい結末ですが
    誰にでもいつかは訪れる死について
    逝く側と見送る側の 
    両方の気持ちを想像させられるお話でした。

    投稿日:2007/03/22

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  • 優しいうそ

    • みっとーさん
    • 30代
    • ママ
    • 大阪府
    • 男の子9歳、女の子7歳

    ウソがテーマのお話です。おねしょしたって、言いにくいこともうそをつかずに伝えるしんちゃん。でもそんなしんちゃんがついたうそは、おばあちゃんのことを思う、優しいうそ。
    おばあちゃんも、自分がウソをついたことを後悔し続けているようだったけれど、でもそれも、優しいうそなんですよね。人を傷つけたり、人をだますうそはだめだけど、人の気持ちをふんわりあたたかくしてくれるようなうそもあるんだね。って、親子で会話できたのがよかったです。

    投稿日:2020/12/18

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  • 思いやりのウソ

    おばあちゃんが小さかったとき、病気で息たえだえの弟にウソをつきました。
    木にキャラメルがなるなんて、誰が信じるでしょう。
    でも、戦争で困窮した時代に、キャラメルは何よりも憧れの、願望だったのでしょう。
    それを気にやんでいるおばあちゃんに、キャラメルの木を作って見せた、しんのすけのウソは思いやりのウソ。
    おばあちゃんのウソとは少し違うけれど、心に響くウソでした。
    おばあちゃんのウソは、戦争を思い起こさせるウソでしたね。

    投稿日:2020/06/01

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  • おばあちゃんの後悔

     タイトルからおいしそうなお話かな、と思ったのですが、悲しくせつないおはなしでした。
     「キャラメルが食べたい」という小さな弟についたうそ。そのうそを、ずっと後悔してきたおばあちゃん。でもおばあちゃんのうそを、責めるひとなど誰もいないと思います。

     おばあちゃんの枕元に、孫がキャラメルの木をもってきてくれました。おばあちゃんはどんな思いだったのでしょう。
     おさえた色で描かれた絵が、胸にしみてきました。

    投稿日:2013/11/23

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  • 幼い弟を思う純真な心

     戦争中におばあちゃんがついた1つのうそ。それは、幼い弟を思う純真な心から出た優しいうそでした。
     こんな辛い思いをして亡くなった幼い命がどれだけあったことでしょう。
    戦争の恐ろしさを知らない娘には(私自身もそうですが)、本当の悲しさはまだまだ理解しがたいものがあると思います。

     何十年経っても消えない心の傷。
    しんのすけにも、おばあちゃんの体験した辛さは本当にはわからなくても、おばあちゃんの言葉はまっすぐに心に落ち、おばあちゃんの気持ちを誰よりも深く心で受け止めてあげることができました。
    最期におばあちゃんの目からこぼれた一粒の涙が、それを物語っています。

     とても悲しいお話だけれど、ずっと心の中で大切にしたい、そして、多くの子どもたちに語りついでいきたいお話だな、と思いました。

    投稿日:2012/02/06

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  • 消えることのない痛み

    • かよたさん
    • 20代
    • その他の方
    • 東京都

    自己の体験をもとに家族のふれあいの大切さを訴え続けている上條さなえさん。
    彼女のお母様は、いつも戦死した夫の会社製のキャラメルを前掛けのポケットに入れていたそう。
    この作品はそんなお母様からの伝言だと言います。

    夏休みに小学生のしんのすけくんがおばあちゃんから聞いた話。
    それは戦争中、病気の弟についてしまった嘘のお話でした。
    嘘をついたことをずっと後悔していたおばあちゃんに、しんのすけくんは…

    戦争を背景としたお話でありながら、暗い感じはなく、心がじんわりと暖まるようなお話でした。
    嘘のひとつやふたつ、誰でもついたことがあると思います。
    仕方のない嘘であっても、ずっと心の片隅にシミのように残ってしまうものです。
    戦争も同じ。消えることなく人の心に残っていくものなんだと感じました。

    投稿日:2011/07/23

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  • キャラメルの木 なんだかおもしろそうなタイトルに楽しいお話を想像して読みました。

    毎日おねしょして ママにしかられている しんのすけくんが、おばあちゃんの家一人で泊まりにいった時 おばあちゃんが 仏壇に手を合わせて キャラメルをお供えしていました。

    おばあちゃんは、縁側の大きな木を見ながら 戦争の頃の悲しい話をしたのです。

    戦争中のことは、戦後に生まれた人には分かりませんが おばあちゃんが子供の頃 食べ物がなくて 病気の弟に キャラメルが食べたいと言われて 「にわの 木に キャラメルがなるんだって」と うそをついてしまうのです」(病気の弟は死んでしまいました)

    うそをついたことに おばあちゃんは ずっと自責の念を感じて生きてきたことを知ると 胸が締め付けられる気持ちになりました。

    うそ 人は誰でも嘘をついてしまうことがあるのではないでしょうか?
     
    嘘をついたら 人はだませても 自分はだませません! 
     
    私も 嘘をついた事は  いつまでも心に残るもののです・・・・ 

    しんちゃんは おばあちゃんが死ぬ前に おばあちゃんの枕元に キャラメルの木を 作って 「おばあちゃんは うそつきじゃ ない。」

    おばあちゃんは どんなに 嬉しかった事でしょう!

    泣けますこの子の優しさに。

     人の死 別れこの現実(避けられない道ですから・・・)

     しんちゃんは 大きくなっても とても人の気持ちの分かる優しい人になると思いました。


    悲しいけれども 良いお話に 涙しました。(生きている者は、現実と向き合ってしっかりと生きていかなくてはと思いつつ・・・・)

    投稿日:2010/04/23

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  • 緑と青をベースとした色使いにため息が

     小学1年のしんのすけくん。
     オネショの失敗が多いようです。
     夏休みに、一人でおばあちゃんちに泊まりに行ったら、やっぱり失敗。
     おばあちゃんに、オネショをしたことを打ち明けると、叱られるどころか、「正直だ」と褒められて。
     昔おばあちゃんが、ついた嘘の話を聞いて、しんのすけくんは…。

     戦時中、食べ物も薬もない時代に病気で失った弟についた嘘。
     とても切ない嘘です。
     
     おばあちゃんの ことばが コトリと 音を たてて、ぼくの こころに おちて きた。
     
     この文に、なんて美しい詩的な表現だろうと思いました。
     そして、おばあちゃんが抱えてきた、悲しくどうにもすることができなかった後悔の残っている嘘。
     しんのすけくんと同い年の弟への思いが、何十年も変わらず忘れられず、おばちゃんの人生と共に歩いてきた事が伝わってきます。

     この、自責の念に耐えられぬような、おばあちゃんを救ったしんのすけくんの行動。
     泣けて泣けて、どうしようもありませんでした。

     明るめのトーンのページから始まり、緑と青をベースとした色使いにため息が出るほど見とれました。
     戦時中のページは、単色に近い押さえ気味の色調で、悲しさが良く伝わってきました。
     『なんて、丁寧に描かれた一冊だろう』と、完成度の高い作品への感動の意味でもまた涙が出てきました。

    投稿日:2009/10/30

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  • 絶対オススメ。優しい「うそ」

    おばあちゃんの「昔話」として出てくる戦争時にキャラメルが食べたいといいながら死んでいった弟と、おばあちゃんの弟についた、優しい「うそ」。おばあちゃんの死を前にして、孫がついたやさしい「うそ」。
    このお話は、「戦争」を単なる「昔話」として語っているのでなく、現代にまでつながっているものとして、描かれている所がとってもいいと思います。

    6歳の子にも、読んであげられる戦争の絵本というのは、少ないと思うのですが、この本は、息子にも、何か感じる所があったようです。

    先日、4年生の読み聞かせ煮も使ってみました。
    はじめの「おねしょ」のところで、楽しそうに笑っていた子も、だんだん話しに入っていっているようでした。
    感想として、「弟や、おばあちゃんのために「うそ」をついたのは、優しいと思いました」といってくれて、ちゃんと、聞いてくれたことに感激しました。

    絶対オススメの絵本です。

    投稿日:2008/10/26

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  • 涙が止まらなくなります

    可愛らしいお話なのかと思って、気軽に借りて読み始めたら違いました。
    内容は、戦争中におばあちゃんの弟が病に倒れ、食べ物も薬もない中、大好きなキャラメルを食べたいと言った。そこでおばあちゃんは、嘘をついたのです。
    庭の木にはキャラメルがなる、もうすぐたくさんなるからね・・・と
    その夜に弟は亡くなった、そんな悲しいお話でした。
    弟の為についた嘘を、弟が亡くなってからもずっと気にして生きてきたおばあちゃん。
    嘘を最後に、孫が現実にしたところがとても素敵でした。
    涙が止まらなくなる作品です。戦争を、まだ理解していない幼児にはまだ早いかもしれませんが、是非読んで頂きたいです。今年に入って1番心に残った絵本でした。

    投稿日:2008/10/09

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