「フラダン」 ママの声

震災後の福島のことがそこに住んでいる者目線で書かれていて、たしかにそういうこともあるよね、とひとつひとつ思わされました。
だからといって、暗くなりすぎるということもなく、恋の気配や明るいフラダンス愛好会のメンバーもいて、読みやすい青春ものでした。

課題図書に選定される前に、昨年のおすすめとして勧められ読み、夏休みになりまた読んでみた。

最後、読みながら涙してしまった。

震災後、子どもたちが失ったもの、それは率直に話し合うということだった。

同級生にもどこの出身であるかが気軽に聞けない。それを聞くことで、震災の被害の度合い・苦しみ・悲しみの度合いを推し量ってしまうことになるから。

フラダンス部に突然勧誘されてしまった穣の戸惑いから始まるこの話、登場人物の設定が絶妙で、読んでいると所々クスっとする場面もあり、引き込まれる。

言葉は時に人を傷つけることがある。でも口をつぐんでいて何も始まらない。思いを口に出してごらん。その思いを受け止めたいと思っている仲間がきっと見つかるよ。

そんなことを感想として思った。

小学校６年生の娘が、今、夢中になって読んで、「すんごい面白かった」と言っています。
生徒ほとんどが男子の福島の工業高校が舞台。一握りの女子で結成されたフラダンス愛好会に、初めて男子が参加して。。。というお話。福島原発の事故の問題も絡まっています。
セリフ回しも面白く、娘は声を上げて笑っていました。笑いの中に感動あり。大人が読んでも読み応えがあります。
表紙の絵もとっても可愛いです。