見た目の本の形態は絵童話です。
絵童話もわたしが子どもの頃とは、対象にする子どもたちの年齢や内容が様変わりしてきたように思います。
主人公はイヌで、ヒロインは年齢は書かれていませんが、それなりの年(挿し絵では30代から40代くらいに見えます)サチコさんでした。
実はこの本、2017年の「青少年読書感想文コンクール」低学年向け課題図書の1冊に選ばれている作品です。
低学年でも読みやすいページ数、しかもその約半分以上は挿し絵のページです。文字(テキスト)は大きくて、一つ一つの文章は短いです。
要所要所に交通ルールや子どもの安全を考えさせられるようなシチュエーションのシーンも盛り込まれていました。
イヌのサスケが一人称で語っていくこと以外ファンタジックな要素はなく、わりと今の世の中(現実)を語っている感じです。
お話としては読みやすくまとまっているのですが、「絵童話」の形態で描かれるのであれば、ヒロインのサチコさんが入院するとかいう事件を描くより。もう少し夢のあるストーリーを描いてほしい気がしました。