原作は中学生の頃に学校で勧められて読みましたが、
ただひたすらに読みにくく、
理解しながら読み進められなかった残念な印象の本です。
当時、生意気にも村上龍さんや村上春樹さんに心酔していたため、
如何にもな名作を、先生から読まされたというのが
理解しようともしなかったのが原因の一つとも思われます。
漫画化され、話題になっていたので思い立って読んでみました。
見事に、原作の雰囲気を失うことなく、
わかりやすく描かれていました。
1937年に発行された原作でありながら、
古臭い印象などまったくなく、
現代の中学生はもちろんのこと、
広義には大人たちも同じような悩みを抱えながら生きているものと思われ、
まさに普遍的なテーマを扱っていたんだなと今更ながら思います。
社会に流されることなく、自分で考えて生きることを
痛感させられました。
いい年をした大人ですが、
主人公である中学生のコペルくんの悩みながら生きる姿に感銘し、
何度か涙が出ました。
漫画化されてよかった本です。
息子が中学生になるときにぜひとも読ませたい。
しかし、「読まされた」と思われないよう、さりげなく置いておく配慮が必要です。