ロールパンナにまさかこんな出生の秘密があったとは、思いもよりませんでした。
生まれながらにして悪い心と良い心を持ってしまった悲しい宿命。いっそ悪い心だけを持っていたなら、こんなに辛くなかったのに!妹のメロンパンナの無邪気でまっすぐなところがまた姉の心に突き刺さる!
幼児むけとは思えないほどダークで奥の深いテーマ。しかし悪い心と良い心は人間誰しも持っています。読んでいて胸に迫るものがありました。
最後にはメロンパンナたちのもとを去るロールパンナ。涙が出そうになりました。
生まれつき持ってしまった悪い心だから、自分の意志ではどうする事もできないのでしょうね‥これからも生きている限り、苦しんで葛藤し続けるのでしょう。お、重い‥
目が離せない無駄のない展開でまるで一つの映画みたいに完成された絵本です。
アンパンマンが悪と戦うヒーローなら、ロールパンナは自分の中の悪と戦うヒロイン。
ロールパンナは普通の人間の姿を投影したものでもありますね
アンパンマンということで子供も何回も読んで欲しがりますが、私も大好きな特別な本です。