戦争中に、豹が部隊で飼われていたなんて
なんの冗談だろうと思って読んだら
本当にあったお話でした。
赤ちゃんの時から人間に育てられた豹の「ハチ」は
人間が大好き。
それも、軍服姿の人には、無条件に警戒を解いていたようです。
その様子はまるでネコ。
連戦の部隊では連れて歩くことが難しくなり
上野動物園に送られて飼育されることになったハチ。
でも、そこには、戦時中の悲劇が待っていました・・。
これはもうひとつの「かわいそうなぞう」だと思います。
ただ、語り継がれたかわいそうなぞうと違い
このお話には後日談というべきお話が続いていました。
ハチを一番にかわいがっていた高知出身の兵隊さんが
ハチのことをいろんな人に語って聞かせ
剥製になったハチは、修理されて、今なお、戦争の悲劇を伝えているようです。
動物と人間の心の交流
戦争の悲惨さ
たとえ命は尽きても、その人の心では行き続ける思い出
いろんなことを伝えてくれる
大人にも薦めたい一冊です。