しかけ絵本の名手、エリック・カール氏の作品です。
夜が明けて、ごきげんななめのてんとうむしがきげんのよいてんとうむしと出会うところから物語が始まります。
不機嫌剥き出しで攻撃的なごきげんななめのてんとうむしは、その場を立ち去り、むしゃくしゃをぶつける相手を探す旅へ。
そこからは相手の大きさに合わせて、画面と文字のサイズが変化していきます。
そして場面が切り替わる毎に「6じ」「7じ」と太字で書かれた時刻も増えていきます。嬉しいことに、それに合わせて時計の文字盤も描かれています。
そのような大きさ、数字・時計の変化に加えて、繰り返しのやり取りが続く点が魅力です。
それにしてもまあ、このごきげんななめのてんとうむしの虚しい頑張りといったら。
丸々12時間かけて、喧嘩相手を探し、さらにそこから小一時間手応えのない活動を続けたと思ったら…
不機嫌・対立よりも、機嫌良く受容的であることに価値があるというメッセージが、楽しい絵本を通じて伝わってきます。
幅広い年代で楽しめる絵本です。