友人が、訳者・さかよりしんいちで検索をかけていたら出てきた本として紹介してくれました。
チャルノブイリ以上の原発事故が起きたらという近未来小説『見えない雲』を描いたグードルン・パウゼヴァングが作者でもあるのです。
パウゼヴァングは小学校教師のかたわら創作活動をしているということです。
「わたしたちは、原子力になれているから、まちがいなんて、おこるわけがない。ちゃんとやるから」
「やだよ、とうさんたちのつくって未来なんて、まっぴらだよ。年じゅうびくびくしてなくちゃいけない未来なんて」
というのは、この絵本に出てくる大人と子どものとのやりとりです。息子がこの絵本を読み聞かせしくれたのですが、子どもの言葉を借りて、地球の悲鳴を代弁しているかのような話でもありました。
内容を少し説明すると、地球に負荷をかけすぎた結果、地球が悲鳴をあげ、聞く耳を持たない大人ではなくて、子どもたちに今の生活のあり方を訴えるのです。
福島原発事故後、今の便利な生活のあり方、本当に安全なエネルギー、地球に負荷をかけない生き方を模索し始めた方も多いと思います。
未だ収束の目途も立たない原発の事故。放射能に怯える生活。原子力発電で出た廃棄物を捨てる場所さえ確保されておらず、トイレのないマンションとも呼ばれる原子力発電。
今の現状とこの絵本の訴えるメッセージが私たちに問いかけるものは非常に大きいと言えます。
子どもが大人になる時代に、負の遺産を残さないように、今大人である私たちが賢明に考えて行動していかなくてはと思うのです。