私が子どもの頃に読んで衝撃を受けた作品でした。
「少年少女世界の名作」の中にあったのですが、名作ものが多い中で、当時としては新しい作品が入っていたということもあり、とても新鮮だったのです。
ぼくは12歳。
ぼくのうちの台所にある日きゅうりの王さまがいたところから始まります。王さまと名乗るだけに、人を見下したような態度でかわいげがありません。
いつもは厳格な父だけが、このきゅうりの王さまの味方になります。
このきゅうりの王さまが出てくることによって、家族関係が変わってきます。今まで問題としていなかったことが問題化してきたとでもいうのでしょうか。
息子に読み聞かせしてみたらおもしろかったようで、毎日「きゅうりの王さま読んで」とリクエストされました。
オーストリアのお話なので、学校の制度など違ったところがありますが、今読んでもおもしろい作品だなあと思います。
大人になってからも、ネストリンガーという名前を見つけるとつい読みたくなるので子ども時代に読んだ本の影響って大きいなあと思います。