以前どこかで、欧米ではアルファベットをテーマにした絵本が発達しているけど、日本にはいいものがないと書かれているのを読んだことがありました。
この絵本を見て、なるほどと思いました。私が知らないだけかもしれませんが、あいうえおを題材にした絵本はよくありますが、単にその文字で始まる物の絵が描かれていて、他の文字との間に関連性がないものばかりだと思います。
それに対して、こちらは、Aでアメリカワニが登場して以降、一貫してそれが主人公となっています。しかも、名詞ばかりでなく、動詞など他の品詞もあります。ただ、上述の本には、欧米の優れた絵本では、AからZまででストーリーになっているものもあると書かれていたように記憶していますが、この絵本はそうではないようです。
息子には、各ページで、「あ、ワニさんが風船持ってる!、鏡見てる!、車に乗ってるよ!」と興味を示していました。これが、単に風船、鏡、車の絵だったら、ちっとも面白くなかったと思います。
当然息子はこれがABCの絵本であることなど全くわかっていません。こんな絵本があいうえおでもあればいいなと思いました。息子は言葉は早いほうですが少々滑舌が悪いので、さ行、は行など苦手な音を意識して発音できる絵本があったら刺激になると思います。
この絵本は、外国人にとっての英語の勉強には向かないと思います。確かに出てくる単語は子供にも身近な語でしょうが、文字と音、アルファベットの配列などに興味を抱かせることを目的としてつくられており、単語を覚えることは意図されていないと思います。つまり、この手の絵本は母国語でつくられたものを読んではじめて意味があると思います(もし英語をよく知っているなら英語で読むべきものだと考えます)。