犬のホンドと猫のファビアンの一日を描いた絵本。柔らかな鉛筆画には透明感があふれ、一条の風が吹きぬけるような美しさの漂う絵本です。表紙の第一印象は「黒井健さんのイラストのような画風」でした。この画風、米国では2003年コルデコット賞受賞など高く評価されましたが、日本にはこういう抑えた感のある絵、わりとたくさん見られるのではと思います。登場する小さな女の子が何となく東洋の女の子に見えると思っていたら、作者の奥様はアジア系の方ですね。そんなこともあってでしょうか、イラストにも東洋的な影響が見られます。控えめな色彩と空間構成が、米国で異彩を放ったのかもしれません。
表紙の構成デザインは、原書の方がアートっぽくて好きです。この小さな女の子、見た感じはtoddler。こちらではこのくらいの幼児を赤ちゃんと呼ぶ人もいるけれど、日本語では小さな女の子の方がいいかな。最終ページの寝顔が赤ちゃんではないし。娘が自分と結び付けようとしていたので、個人的に勝手な感想を持ってしまいました。
動物と一緒に暮らしている方、犬好き、猫好きな方におすすめです。