3歳で親に捨てられ施設で暮らしている悠由。月の精霊でもいそうな古い洋館で、捨て犬「ムーン」の世話をきっかけに流という男の子と出会う。でも中学で知り合った友達のルナとも流が原因で確執ができてしまいます。流が描いた悠由の絵を見て、悠由の母らしき悠里の情報が入ってきて、流とマサ姉の大活躍でとうとう悠里の親友だった愛子おばさん(なんとルナの母)に辿り着きます。真相を聞くと、月というキーワードでいろんな人や動物が結びついていることが分かります。事情を聞いて同情し反省したルナと、いつも味方してくれる康平くん&流くんに支えられ、悠里との出会いを果たす悠由。でも待っていた結末は、なかずにはいられません。
とても読み応えがあって面白いです。私はラストでぼろぼろ涙が出てないてしまいました。これを読むと、運命ってひどいなと思うこともありますが、現実世界では、素敵なものであって欲しいです。読み終えるとこういった子たちに何かしてあげたい気持ちになる作品でした。
この作者の作品はいつもしっかりした文章で心に響きます。大人用にしても全く遜色ないので、小学生〜大人までにおすすめ。