秋らしい絵本を探していたときに図書館で偶然見つけた、白地にタイトル文字だけのシンプルな表紙の絵本。
中を開いたら鮮やかで可愛いらしいドングリのイラストなので、子供向けかと思って読みましたが、是非、大人の方にお勧めしたい絵本です。
「木」になっている時は「木」と一体で、自分は「木」だと思っているどんぐりが、木から落ちて離れてしまうと「木」のことは忘れてどんぐりとして一人で生きていく。
同じ木になっていたどんぐり兄弟たちは地上に降りて「木」のことを忘れ、お互いの大きさや美しさなどを競い合ったり、憎み合い殺し合ったり…。
でも「木」は離れていった自分のかわいい子供たちをいつまでも愛し続け、みんなが「木」になれるんだということ呼びかけ、子供たちに太陽の光を当ててくれるよう願います。
それに気付き、自分が「木」だと思いだしたどんぐりはすくすく育ち、立派な「木」になり、「木」はとなりの「木」と根と根でつながり…
この絵本はちいさなどんぐりのお話ですが、私たち人間の世界でも同じ事。自分と誰かと比べて羨ましがったり憎んだり、傷つけあったり…。
誰でも「木」になり、仲間と森を広げ、幸せになれるんですよね。
とても素敵な絵本です。