『悲しい本』、こんな題名の本を手に取る人はどんな人でしょうか。
息子を失った主人公の悲しい想いをひたすら綴ります。
悲しみに伴う主人公の行動も素直に描き出します。
客観的な描写を、詩人の谷川俊太郎さんが滋味深く訳しています。
絵は『チョコレート工場の秘密』の新訳版のイラストの方ですね。
妙に見覚えがあるはずです。
読み聞かせるというよりは、自分用に、あるいはブックトーク風に紹介して、
そういう状況になった時にふと思い出して読んでほしい、
という本ではないでしょうか。
ラストのロウソクがとても印象的ですね。
誕生日、その存在は生きている証し。
そのロウソクの灯をいとおしく思いました。