小学館から出ている『世界のメルヘン絵本』というシリーズですが、昭和50年代のシリーズなので、本の装丁とかは、昭和のにおいを感じさせる作りでした。
君島さんの邦訳された中国の昔話(伝承・民話含む)は、どれをとってもわかりやすく面白いものが多いです。
もしも中国という国に興味を持っていたら、今の中国の姿だけでなく、こういう昔ながらのお話の世界も手に取って、じっくり味わってほしいです。
国が近いだけあって、日本の昔話とどこか似ている部分もありますが、全体的なストーリーとしては日本の物よりやや長く、広がる世界が壮大で、やはり、儒教的な思想がにじみ出てくるような気がしました。
このお話に登場する『竹娘』は、日本のかぐや姫より、もっと人間的で、地に足をつけている感じがします。
古い本ですが、丸木俊さんの挿絵も素晴らしく、ストーリーの展開も面白いので、興味のある人は是非、一度読んでみてほしい作品です。