マッチ箱を想起させる表紙と、マッチ箱くらいな小さな本。
こんなに小さいのに、そこから放つ世界観があまりにも強烈で。
「むし」というわりには、足は4本しかない不思議なもの。
そのへんてこりんな虫の通った軌跡が、急に立体的になり、
それに伴って出来る実際の影までぐんぐん深くなっていく様子には
本当にびっくりして、何度も何度もパラパラしちゃいました。
こんな小さい本なのに、動きだけでなく奥行きまで出すのか!
展開も不思議でおもしろい。
「むし」が、自ら作り出した「むしくいさま」に食われてしまうなんて。
そして「むし」が食われたからこそできる「むしくいさま」の姿は
シュールだけれど、ちょっとステキ。
豊かな、しかし畏怖の念も起こさせる自然なのかな。
息子も楽しかったよう。
虫が食べられてしまうところが気に入っていました。
この動き×奥行き感は、新しい表現を切り拓きましたね。