誰もが知っている「3びきのこぶた」のパロディ。
誰もが知っているから、この本の受けも大きい。
ただ、「こぶた」と正反対の結末が、この絵本の良さだと思う。
それにしても…、おじさんは唸ってしまいました。
1993年に書かれた原作。
わるいブタの描かれ方は、まさに現代的。
オオカミに対する執念深さが半端じゃない。
しかも、ブタはオオカミだけを狙っているみたい。
モチーフは子どもだろうか?世界だろうか?
もし子どもたったら、4つ目の家は建たないだろう。
世界だったら、敵対から共存へモデル国はありそうだ。
子どもの世界。
いやなものは執拗にやっつけようとするのが現代。
4つ目の家の発想は浮かんでこないかもしれない。
ブタが意固地になる前に解決したいもの。
原作どおりなら、ブタは懲らしめられるのだろうな。
勧善懲悪の倫理は現在ではしこりを生む。
ウンゲラーのように、シニカルに終わらないところが、児童向けで良いと思いました。
読み終わってから、「3びきのこぶた」にはいろいろなバージョンがあることを教わりました。
「3びきのこぶた」も合わせて読んでみると良いかも知れません。