『おむすびころりん』と似ているけれど、ソバ餅はとても泥臭いお話でした。
米とそば。
きっとお米もできない土地のお話なのだろうな。
おじいさんが落としたソバ餅が転がった先はネズミの世界。
招かれたおじいさんは、振る舞いを受け、宝物を持ち帰りました。
『おむすびころりん』では、欲深なおじいさんが登場しましたが、ここで出てくるのは「めくされじいさん」。
「目腐れ」という言葉に泥臭さと、かなり卑下というか差別的な響きを感じました。
丸木位里さんの墨絵に土着性を感じたものだから、なおさらに「目腐れ」のじいさんがとてつもなく汚いじいさんに描かれているように思います。
罵られながら登場しためくされじいさんは、強欲なところを見せて、あげくには地中から出られずにモグラになってしまいました。
これだけメリハリがあると、「ねずみじょうど」か「ねずみじごく」がわからなくなってきましたが、欲と人まねはいけないということがよく分かりました。