レースのたくさんついたきれいなスカートを手に入れたおんなのこは、散歩にでることにしました。小さなおんなのこなのに、サングラスをかけ、強くて冷静で、そしてやさしい。
引越ししたもぐらには家のカーテン用に、赤ん坊がうまれたへびには赤ちゃんのおくるみ用に、自分のスカートの生地を分けてあげるのでした。
家に帰って、エプロンになったスカートを満足げに眺める様子は、冒険をしてきた勇敢なおんなのこそのものでした。
パステル調で細部まで描きこまれた絵は、まさにかわいらしいおんなのこの世界ですが、そこに描かれているのは、しっかりとした意志をもったおんなのこ。このギャップがこの絵本の大きな魅力になっています。
中学生や高校生の女の子に読んで欲しい絵本です。
『すきまのおともだちたち』(江國香織・文、こみねゆら・絵、白泉社)の元になるお話です。