絵本作家の鈴木まもるさんが、子供と一緒に本を読む距離についてこんなことを話していました。
「読み聞かせというのもいいですが、できたら子供とは自分の膝の上に座らせてお腹で抱きかかえるようにして読んであげたいものです」と。
石川えりこさんが描いたこの絵本を読みながら、そういえばねこっていうのは飼い主の懐にすっと忍びこんでくる動物ではないか、そして、それは子供と一緒に本を読む距離によく似ている。
つまり、ねこと本はとっても相性がいいように感じました。
海が見えるとっても住みやすそうな町の片隅に、ねこの本屋さんがありました。
らせん状の大きな階段に、壁いっぱいに本が並んでいて、ちいさな子供のお客さんにも人気がありそうな、そんな本屋さん。
ある日、散歩日和だったので、早くに店じまいして、ねこは出かけていきます。でも、たった一か所戸締りを忘れてしまいました。
なので、風が吹いて、本の中から登場人物たちが飛ばされてしまうのです。
ピノキオ、シンデレラ、長靴をはいた猫、チルチルとミチル、ラプンツェル、といった子供たちにもおなじみの登場人物たちです。
ねこは迷子になった彼らを順番に探していきます。
こんなお話って、まるで夢のようです。
お父さんやお母さんの膝の上で一緒に読んだら、いつの間にか眠ってしまいそう。
そして。夢でピノキオたちと遊べそうです。
もちろん、ほんやねこも一緒に。