この作品は、スウェーデンの文学者アルフレッド・スメードベルイが、1908年に発表した作品に、垂石眞子さんが絵を描き1996年に発刊したもの。
表紙の絵に魅せられて読んだのですが、この絶妙なコラボレーションこそ、この作品の大きな魅力と言えそうです。
物語は、かあさんねこと4匹のこねこが、仲睦まじいく暮らしているシーンから始まります。
ところが、住んでいる農家の雌牛の乳が出なくなってしまったから、さぁ大変です。
困り果てたかあさんねこ。
犬がミルクのある場所を教えてくれるのですが、何と月。
月でおじいさんとおばあさんが運んでいる桶の中身が、ミルクだと言うのです。
日本で月に住むのは、餅をつくうさぎと相場が決まっているのですが、やはり所変わればというところなのでしょう。
かあさんねこは、どこまでも月を追い駆けるのです。
道すがら、ぶた、おんどり、こうしも一緒に行こうとするのですが、みんな途中で諦めてしまいます。
やはり、母強し。
その子を想う気持ちに、揺るぎは微塵も感じられません。
何度も高い木に登ったり、走って追い駆けたりを続けるのです。
結局、かあさんねこの勘違いではありますが、ミルクにありつけることができ、とてもほのぼのとした気持ちで読み終えることが出来ました。
良く出来たストーリー展開で、長く読み続けられることに納得出来る作品だと思います。
一寸文章が多めなので、読み聞かせよりは小学校低学年生が自ら読むのに適している作品かも知れません。